数多くの観光スポットを有し、幅広い世代の支持を得ている那須高原。その中でも人気の高い「りんどう湖」の近くにあるのが、「オーベルジュ・ラ・カンパーニュ」だ。フレンチとイタリアンで腕を磨いたオーナーシェフの橋本眞一郎氏の紡ぎ出す絶品の料理、緑も鮮やかな露天風呂。「のんびり過ごしていただきたい」という思いがあふれた雰囲気に、繰り返し訪れるお客様も多い。また、ランチメニューで提供されるパスタやカレーも大人気だ。
インタビュー
美味しい物を少しずつ、いろいろと召し上がっていただきたい…
オーナーシェフ
橋本眞一郎氏に聞く
オーナーシェフ 橋本眞一郎氏:
1960年、東京都出身。20歳で料理の道に入る。フレンチ、イタリアンの店で研鑽を積んだ後、1988年に「オーベルジュ・ラ・カンパーニュ」を開業する
首都圏から手軽に訪れることのできるリゾート地として人気の高い那須高原。1年を通じて様々な楽しみ方ができるこの地で、お客様に真のくつろぎを与えてくれるのが「オーベルジュ・ラ・カンパーニュ」だ。オーナーシェフの橋本眞一郎氏に、食への思いや土地の魅力についてお話をおうかがいした。
神戸の老舗から始まり、やがてオーベルジュへ…
まずは、料理の道に進まれたきっかけについてお聞きした。
「母方の祖父が、神戸の『伊藤グリル』の創業者で、その後、叔父が継いでいました。そういう背景があって、料理人を志そうと思ったのです」
「そこでまずは叔父の所に行きました。それが20歳の時です」
神戸・元町の「伊藤グリル」といえば、創業1923年、日本を代表する洋食店である。
「ランチでお出ししているビーフカレーも、伊藤グリル仕込みで人気があります」
料理人としてのキャリアを、美食の街、神戸で始めた橋本シェフ。
その後オーベルジュ開業へと至った経緯は、どのようなものだったのだろう?
「スポーツが趣味だった私は、毎年夏と冬には白馬に行っていたのですが、そこでペンションの存在を初めて知りました」
「ただ、宿自体はこじんまりして落ち着いており、とてもよかったのですが、お料理はごく普通の洋食です。で、せっかくなら本格的なフレンチを出せるお店が出せたらいいな、と思いました」
「もっとも、都内にはお店はたくさんありますし、やはり自然に恵まれた郊外に目が向いたのです」
地方で本格フレンチを供する宿。橋本シェフの研ぎ澄まされた感性は、本能的に「オーベルジュ」を捉えていたのだ。
引き続き、料理について具体的に教えて頂く。
「街の中のレストランであれば簡単に来られますから、お皿数は少なくても、週や月といった単位でメニューを変えていけば、お客様はいろいろな味を楽しめます」
「しかし、那須高原ともなるとそうはいきません。ほとんどの方は遠くからおみえになります。ですから、『また来週』というわけにはいかないのです」
「そこで、そういうお客様にも1回のディナーでたくさんのお料理を味わって頂きたいと思い、12、3皿から成る『洋風懐石』をお出しすることにしました」
「もちろん一気に全てお出しするわけではありません(笑)。普通のコースのように、1皿ずつお運び致します」
美味しい物を少しずつ。これはもう究極の贅沢だ。
だが、作る方は大変ではないだろうか?
「ディナーのメニューにはもう1つ、普通のフレンチのコースもありますが、どちらも予約ですから、あらかじめ準備ができますし、それほど大変ではありませんよ」
評判はいかがですか?「ええ、おかげさまで多くのお客様におほめの言葉を頂きます」いろいろなお皿の中で、特に人気のあるものは何でしょう?「特にリピーターのお客様に評判が高いのは、フォワグラのソテーです。『フォワグラは大きくしてくれ』『これだけはメニューから外さないで』という方がたくさんいらっしゃいます」「あとは牛ヒレのステーキも人気がありますね」慣れれば大したことはない、と笑う橋本シェフ。だが、少しずつ品数を多くというのはやはり負荷が多いはずだ。それをいともたやすくクリアするのは、フレンチとイタリアン両方で腕を磨いたシェフの技と、何よりもお客様に喜んで頂きたいという温かい心があるからではないだろうか?まさに「心技一体」となった珠玉のコース。今宵も感動のディナーがゲストの心をとらえてやまない。
那須の自然を存分に味わっていただきたい
最初から郊外での開業を考えていた橋本シェフ。那須高原を選んだのはどうしてなのだろう。「今の場所とは違うのですが、元々父方の祖父が土地を持っていた関係で、那須には時々足を運んでいたのです。そうする中で、『那須でやってみたいな』という気持ちが高まっていきました」どのようなところに魅力を感じましたか?「全体の素朴な雰囲気ですね」「たとえば軽井沢のような洗練された空気感は薄いかもしれませんが、水はきれいだし、空気は美味しい。山もそれほど高いというわけではありませんが、全体のバランスがちょうどいい場所のように感じました」「まあエリア全体として見たら、当時と比べるとだいぶ開発は進みましたが、この辺りは以前のままの雰囲気がそのまま残っています。那須街道から1本入っていますから……」
那須高原での楽しみ方を教えて頂いた。「そうですね、やはり年間を通じて自然と親しむのが一番でしょうか。山登りも、川遊びもできます。冬ならスキーやボードですね。初夏のつつじをはじめ、それぞれの季節の花もきれいですよ」「また、ファミリーの方であれば、遊園地などもおすすめですね」シェフはどの季節がお好きですか?「新緑の頃です。その時期が一番きれいだと思います」高原というと、夏は涼しいイメージがありますが、いかがですか?「たしかにそう思われるかもしれませんね。でも、那須も日中はかなり暑いです。ただ、朝晩は結構涼しくなります。この温度差が、いろいろな食材を育んでいるのではないでしょうか」那須高原の豊かな自然も、シェフの鮮やかな料理を演出する貴重な存在であることがよくうかがわれた。
オーベルジュということを過度に考えず、のんびりお過ごし下さい
最後に「オーベルジュ・ラ・カンパーニュ」での過ごし方についておうかがいした。「オーベルジュということで、『敷居が高い』というイメージを持たれている方が多いような気がします。現に『ドレスコードはありますか』という問い合わせは結構あります」「また、フレンチというだけで『行きづらい』という印象を与えてしまっている感もあります」残念ながら、そういう傾向はあるかもしれない。「ですが、私の所ではそういった変な緊張感なしに、のんびりとくつろいで頂きたいと思っています。オーベルジュだからといって、構えて頂く必要はまったくありません」「周りの方に迷惑をかけるようなことがなければ、いわゆるテーブルマナーなど意識して頂かなくても構いません。ですから、たとえばお箸の方がよろしければ、遠慮なくおっしゃって頂ければと思います」こういった姿勢が、「オーベルジュ・ラ・カンパーニュ」の優しい空気感をかもしだしているのだろう。
「そういえば、マタニティのお客様がいらっしゃることが多いですね」
シェフがふと口にされた。
「お子様を産まれてしばらくは、なかなか外でゆっくり食事ができません。そういうことで、今のうちに、という方が結構おみえになります」
心身ともに微妙な時期にもかかわらず、足を運ばれる方が多い。この事実が何より「オーベルジュ・ラ・カンパーニュ」の魅力を物語っているのではなかろうか。
これからも、この温かな空間は、変わることなく輝いていくのだろう……と思っていたら、シェフがおっしゃった。
「今後、もう少し部屋数を減らして、より快適な空間をお客様に提供できればな、と思います」
今でも十分な魅力にあふれ、多くのゲストの心をとらえてやまない「オーベルジュ・ラ・カンパーニュ」だが、そのおもてなしの心は、さらなる進化を目指しているのである。
最後に優しく微笑まれた橋本シェフの表情が、とても印象的だった。
食の世界
最後まで美味しく召し上がっていただくため、全体のバランスに気をつけています
料理
基本のディナーはフレンチベースのフルコース。フレンチとイタリアンの名店で修行を積んだシェフの作りだす奥の深い味に酔いしれたい。また、1日5組限定の「洋風懐石コース」は、フォワグラ、トリュフ、キャヴィアといった高級素材が組み込まれた料理が12、3品も供される贅沢さ。次々と繰り出されるお皿の数々は、味はもちろん彩も豊かで、食の楽しみを心から堪能できる。この至福の時を、ぜひとも味わいたい。
食材
豊かな食材に恵まれた抜群の環境を生かし、極力地元の物を使用している。中でもイチゴを代表する「栃おとめ」は大人気だ。また、その時期によって状態のいい食材を、広く各地から集めている。さらに、フォワグラをはじめとするフレンチならではの素材については、フランスより輸入した物から最高の品をセレクトするなど、料理によって柔軟に対応し、感動のお皿を作り上げていく。
お酒
フランスを中心に、赤、白、ロゼ、スパークリングと各種ワインがそろっている。グラスでも頂けるハウスワインをはじめ、手頃な価格の物が中心となっているのがうれしい。また、食前酒、食後酒も充実しているので、いろいろな楽しみ方ができる。なお、日本酒については、予約の際にリクエストをすれば、地元の物を用意してもらえる。
食空間
ダイニングはシックな内装でまとめられ、落ち着いた雰囲気となっている。大きな窓が印象的な、広々した開放感あふれる空間には静かに音楽が流れ、料理を心ゆくまで楽しむことができる。時に聞こえてくる鳥のさえずりや虫の音にも耳を傾け、高原の澄みきった空気感も十分に味わいながら、くつろぎの一時を存分に楽しみたい。
スイーツ
ケーキ、タルト、ムース、プリン、クレープ、ソルベ、コンポート……。その時期に美味しい素材で作られた各種デザートが10種類ほど並び、席の前で切り分けてもらえるワゴンは大評判。中でもチーズケーキとポットカフェが大人気だ。もちろん好きな物を何種類でも選ぶことができ、幸福感と満足感に包まれて充実のディナーをしめくくることができる。
メニュー
朝食〜PetitDejeuner
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牛乳またはフレッシュジュース
(オレンジ、グレープフルーツ、トマト。お好きな物をお選び下さい) -
自家製ヨーグルトと季節のフルーツ
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サラダ
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特注ベーコンと卵料理
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パン
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コーヒーまたは紅茶
(メニューは一例につき、変更する場合がございます)
夕食〜Dinner
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さつま芋のムース コンソメジュレのせ
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帆立貝のパートフィロー包み
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マグレ鴨胸肉のカルパッチョ
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フォワグラのソテー 焼きリゾット添え
バルサミコソース -
スモークサーモンとウズラの卵のサラダ
キャヴィア添え -
チーズのキッシュ
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田舎風パテ
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エスカルゴのフライ
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コンソメスープ
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本日のお魚と赤座海老のポワレ
シェリービネガーソース -
お口直しの柚子のソルベ
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牛フィレ肉のソテー ペリグーソース
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ワゴンサービスのデザート
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コーヒー、紅茶、エスプレッソ
(お好きな物をお選び下さい)
(メニューは一例につき、変更する場合がございます)
アルバム
さつま芋のムース コンソメジュレのせ | マグレ鴨胸肉のカルパッチョ |
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スモークサーモンとウズラの卵のサラダ キャヴィア添え | エスカルゴのフライ |
スープ | ランチ |
部屋 | ネコ足付きバスタブ |
露天風呂 | テラス |
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