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伊豆・伊東温泉街の静かな川のほとりに、1日2組だけをもてなす小さな隠れ宿がある。昨年9月、料理旅館から和のオーベルジュとして生まれ変わった同宿。親密で温かなもてなしと、繊細な技で丁寧に仕上げられた料理の数々に惹かれ、何度も訪れるお客様も多いという。各部屋には大きめの檜風呂を設置しており、気兼ねなくゆっくりと天然温泉を楽しめるのも魅力。

インタビュー

インタビュー

オーベルジュは私のサービスの等身大
オーナーシェフ

坂本明恵氏に聞く

オーナーシェフ 坂本明恵氏:
1961年4月、料理人である祖母の元(熱海)に生まれる。東京のデザイン会社勤務を経て、実家で開業した料理旅館「花季」のシェフとなる。京料理の料理人から10年間指導を受けながら、現在に至る。昨年オーベルジュとして生まれ変わってからは、食材や調理技術はもちろん、HPリニューアルやロゴ制作をはじめ、リピーターのニーズに応えられるよう日々進化し続けている。

決心…料理旅館からオーベルジュへ。

 

何故、今オーベルジュなのですか?

 

「長い時間がかかりましたが、ようやく決心したんです。オーベルジュと名乗ることに…」と坂本氏がきっぱりと言った。家族経営で20年も続けてきた料理旅館をオーベルジュと名乗りなおすことに何年間か迷い、わだかまりもあったというが、やはり「料理を楽しんでいただく宿」という意味から、オーベル ジュというほうが自分の中でも納得できる。そういう結論に至ったのだという。

 

日々受け入れられる宿泊ゲストはわずか2組のみ。すなわち料理にごまかしがきかない。味が合うとか喜ばれているとかいった反応もすぐわかる。その緊張感の中で、料理の質を向上させようと、毎日が勉強の積み重ねだったとのこと。

 

「もともとこだわり派なので、見栄えから味わいまで全て納得できないと満足できないタイプ」なんです。料理に対する熱意が人一倍の坂本シェフは、長年旅館を支えてきた実母の女将に替わって、経営をしていくということもあり新たな気持ちがひしひしと伝わってきた。

ここだけで味わえる。そういう料理を目指したい。

 

どんな料理を出しているのですか?

「京料理の基本を守りながら創作和食料理を提供しています。」また、デザインの勉強をしていただけあって器も料理それ自体も、非常に手の込んだそれでいて一つ一つに工夫が感じられた。女将もシェフも本物やいいものを提供したいという気持ちが強く、何よりも食事の時間を楽しんでもらいたいという。

 

「和のオーベルジュという考え方に違和感はありません。これからも美味しいものを追求していきたい。料理は手間隙はかかりますけれど、それが当館の魅力なのですから。」

 

小さいからこそ、もう一つの実家のような感覚で過ごせる心地よさ。小さな宿がそれほど浸透していなかった時代から、旅慣れたファンに愛され、ゆっくりと磨きこまれた良さがここにはある。
 

食の世界

食の世界

漁師さんから直接仕入れた「海のジビエ」を
たっぷりとお楽しみください。

料理

日本料理の基本を守りつつ「洋」のエッセンスも取り入れ、上品なサイズのポーションで数多くの品数をひと皿ひと皿提供。「楽しい食事の時間を過ごしてほしい」という想いから、食材の組み合わせや器の使い方など、女性シェフならではの斬新な感性で展開する。

食材

自家菜園のハーブや椎茸など、近隣の契約農家からその都度新鮮な野菜を調達。魚介類は伊豆の海から獲れる旬の地魚を使用する。できるだけ地元のものを取り入れ、素材そのものの美味しさを生かせるよう、手をかけながらもシンプルな仕上がりを心がける。

お酒

「料理と一緒にお酒も心ゆくまで楽しんでほしい」と、オリジナルの純米吟醸酒「花季」を用意している。日本酒以外にも、料理と相性の良い美味しいワインや、焼酎なども厳選して取り揃えている。

食空間