伊豆は首都圏から気軽に訪れることのできる好立地でありながら、豊かな自然と温泉、山海の幸が楽しめる贅沢なエリアとして高い人気を誇っている。中でも伊豆高原は、冷涼な空気の中、数々のミュージアム、お洒落なレストラン、そして個性的な宿泊施設が点在する人気の場所だ。その一角、閑静な別荘地に建つのが「花の森 クラリス」である。まさに花の森に包まれて過ごす究極の癒し時間を求めて、今日も多くのお客様が足を運ぶ。

 

インタビュー

あたかもヨーロッパにいるかのような雰囲気の中、ゆっくりとお過ごしください
オーナー

田中秀一に聞く

オーナー 田中秀一氏:

1963年宮城県仙台市生まれ。自営カフェレストラン、山中湖のペンションを経て、2002年伊豆高原に「プチホテル クラリス」を開業。2005年、オーベルジュ「花の森 クラリス」としてリニューアルオープンする。

標高580メートル、柔らかな曲線のシルエットが美しい大室山から、雄大な断崖絶壁が連続する城ヶ崎海岸まで広がる伊豆高原は、エリアを代表するリゾートスポットとして高い人気を誇っている。その自然の恵みにあふれた地にあるのが、オーベルジュ「花の森 クラリス」だ。バラをはじめとする花々とハーブに囲まれたガーデン、全室に付いている露天風呂。そして極上のフレンチに朝食バスケット……。まさに夢のような贅沢な時間を求めて、繰り返し訪れるお客様は数多い。この魅力的なオーベルジュをプロデュースされたオーナーの田中秀一氏に、いろいろとお話をうかがった。

 

ヨーロッパの雰囲気を、ここ伊豆高原で再現しました

 

まずは、この素晴らしい空間が誕生するまでの経緯についてお聞きした。「2002年、現在の本館で『プチホテル クラリス』を開業しました。夫婦2人で始めたのですが、次第に『もっとこだわってみたい』という気持ちが強まっていったのです」具体的にはどのような点を意識されたんでしょうか?「外観、庭、料理、サービス、そしてその集大成としての雰囲気……、そういう面でよりグレードアップしたものをご提供していきたいと考えるようになりました。特にレストランに関しては、独立したスタイルのものにしたいと思ったのです」「ただ、そうなっていくと、とても私ども2人だけではやっていけません。そこでスタッフを募集して規模を拡大し、『花の森 クラリス』をオープンしました」リニューアルにあたって、特に大切にされたことは何でしょう?「ここだけにしかない『雰囲気』ですね。そういう意味で根本にあったのは『ヨーロッパ』です」

咲き誇る花々や鮮やかな緑、そして落ち着いたたたずまいの建物。確かに日本離れした雰囲気にあふれている。そういう方向性を目指されたのには、何かきっかけがあったのでしょうか?「原点となったのは、学生時代のヨーロッパ旅行です。観光でメジャーな所を巡っただけでしたが、それでも街並みの醸し出す何とも言えない空気感は、非常に強く印象に残りました。それをこの地で再現してみたかったのです」「皆様が持つ『伊豆』という土地のイメージは、やはり『海』ではないでしょうか?温泉につかってどこまでも広がる海を一望する……そういう印象が強いと思います」「ただ、ここは少し趣が異なります。やはり高原ですから、『緑』が最大の魅力です。そこでヨーロッパというコンセプトの中、いかに緑に特化していくかを考えました」背後にそびえる優美な大室山をはじめ、「クラリス」はまさに緑に包まれている。

そして、中でも目を引くのは、何と言ってもバラをはじめとした花々だ。「確かに緑で『癒し』をご提供するというスタイルでもよかったのですが、もう一工夫できないかと考えました。そこでいろいろ話していく中で、何かテーマを決めて花を中心に展開するのはどうか、ということになったのです。で、花と言えばやはり『バラ』だろうと思いました」「本館はイギリスのイメージで作ってあるので、館内の随所にバラをモチーフにした物が置いてあります。そこで、この広いガーデンをバラで満たしていくことで、よりヨーロッパ的な雰囲気になるのではないかと思ったのです」「また、当時『ローズガーデンのオーベルジュ』ということでテレビにも取り上げていただき、全国からお客様が足を運んでくださるようになりました。そこで、バラづくしでいこうと決めたのです」それにしても、これだけ植物があると管理も大変ではないですか?「そうですね、やはり枯れてしまうものもありますし、こまめに様子を見て、少しずつですが入れ替えるようにしています。バラはとても奥が深く、毎年何十種類もの新品種が登場しますし……」「また、確かにバラに特化はしていますが、1年を通じて咲いているわけではありません。ですから、シーズン以外でもヨーロッパを思わせる雰囲気を満喫していただけるよう、その他の花やアンティークの小物などにも気を配っています」

お花だけでなく、「クラリス」のガーデンにはあちらこちらに小物が配されている。その1つ1つが愛らしく、見ているだけで自然と笑顔になるのが実感できる。誰もが優しい気持ちになれる、そんな空気に包まれたオーベルジュだ。

美味しくかわいらしいお料理を、ゆっくりとお楽しみください

続いて料理についておうかがいした。
「先程もお話しました通りヨーロッパが原点となっていますから、お出しする料理はやはりフレンチのコースがふさわしいと思いました」
「コース料理というのは、オードブルに始まってデセールに至る、1つの『ストーリー』を持っています。それをゆっくりと楽しみながらいただける雰囲気を何より大切にしたいと考えました」
「そのためには、シンプルでオーソドックスなスタイルが最適です。素材や調理法、盛り付けなどに凝るというのも1つの方法ですが、この空気感にはあまり合いません。あくまでもガーデンと同様、『楽しさ、かわいらしさ』を第一にしたいのです」
「花に囲まれたオーベルジュという『非日常感』の中にも、アットホームさがあふれている。お料理もそういう感じにしています」
ガーデンで感じた「温もり」と「くつろぎ」。
それはダイニングもお料理も同じであった。
この統一感が、何とも言えない落ち着きを醸し出しているのだろう。
「ですから、たとえば素材のブランドなどはこだわっていません。高品質で安全という大前提を満たす物であれば、ネームバリューはなくてもいいと思います」

「シェフもそんな私の意向を十分に理解してくれて、フランス料理の命であるソースには手間をかけるというように基本に徹して、お客様に『美味しい』と思っていただけるお皿を作ります。」
「フレンチというと、どうしても高級感を持たれがちです。もちろんそれも醍醐味ではあるのでしょうが、ここではどうか肩肘張らず、気軽に楽しく味わっていただきたいと思います」
当日のディナー、どのテーブルも笑顔であふれていたのが印象的だった。
そこには、オーナーが大切にされている温かな空気感があふれていた。
お料理が一段と美味しく、楽しく感じられたのは言うまでもない。
さて、朝食も独特のスタイルとのこと、引き続き教えていただいた。
「朝食はバスケットでお持ち致します。もちろんお部屋で召し上がっていただいていいのですが、ガーデンでお楽しみになられるのがお勧めです」
「サンドイッチを中心とした内容になっていて、高原の澄んだ空気の中、ピクニック気分で召し上がっていただけます」
「朝食もコンセプトは同じで、やはり気軽に楽しく、そしてぜひ花に囲まれた『ガーデン』という舞台でお楽しみください」
翌朝、オーナー自らが部屋までかわいいバスケットを届けてくれた。
早速ガーデンに出ていただくことにする。
咲き誇る花々、そよぐ木々、そこここから聞こえる鳥の声……。
何だか絵本の世界に入ったような気がした。
「夕食のフレンチコースとガーデンでの朝食バスケット。私どもならではのスタイルを、ぜひともゆっくりとお楽しみください」
オーナーの言葉を改めて思い出す。
爽やかな風がそっと吹き抜けていった。

 

スタッフ一同心をこめて、アットホームな雰囲気作りをしています

最後に、今後の展望などをはじめとしたオーナーの思いをお聞きした。
「この地を選んだのは、何よりも自分自身が住んでみたいと思ったからです。都心からさほど遠くない所にありながら、穏やかな気候に風光明媚な土地、そして山海の恵み、豊かな食材……そして何と言っても自然の安らぎに満ちています」
「ウグイスやホトトギスといった野鳥、リスをはじめとした愛くるしい小動物、そよぐ木々の緑……さらにすぐに近くには海が広がり、オーシャンブルーで心和みます」
「こういう最高の環境の中、今後もアットホームで温かみある空間をご提供していきたいと思います」
そのために、何か特に重視されていることはありますか?
「そうですね、これはスタッフ各自に絶えず言っていますが、今後も大切にしていきたいのは、お客様に心のこもった接し方をすることでしょうか」
「ですから、私はあえてマニュアル等は作っていません。その類の物があると、どうしてもそちらに気持ちが向いてしまい、肝心のお客様から意識がそれてしまうからです」
「言葉1つにしてもそうです。たとえば『ありがとうございました』という一言であっても、マニュアルに書いてあるから、という気持ちで口にしたらどうでしょうか? お客様には何も伝わらないと思います」

「これは言い過ぎかもしれませんが、そんな機械的な『ありがとうございました』などより、自分の心からの感謝の意をこめた『どうも』の方が、よほどいい場合もあると思うんです」
「サービスというのは、個人の資質に負うところが大きいので難しい面もありますが、幸いスタッフは私の考えをきちんと理解してくれて、気持ちを込めた応対をしてくれています」
「そうやって皆が心をそろえて1つになってサービスをご提供するというのも、この種の施設を経営していく楽しみだと思います」
今回「クラリス」を訪れた瞬間に感じたのは、安らぎに満ちた温かな空気感だ。
最初、それはガーデンの魅力によるものだと思ったのだが、オーナーの話を聞いて納得できた。
やはり最終的には「人の心」なのである。
「以前は伊豆に来られる方は、大半が観光目的でした。ですが、今は違います。ほとんどのお客様は『癒し』を求めていらっしゃいます」
「お誕生日や結婚記念日といった大切な時をお祝いになられるカップル、ご夫婦、親子といったお客様が多いですね。また、最近増えてきたのはマタニティの方でしょうか。しばらくの間はどうしてもお子様にかかりっきりになってしまいますから、その前の最後のご旅行という感じです」
「それだけに、やはり私どもとしても日常生活を忘れていただき、かつ心底リラックスできるサービスをご提供したいと思っています」
プチホテルとしてスタートし、さらなる成長を続けている「花の森 クラリス」。

最後に、今後の夢や展望について教えていただいた。
「今考えているのは、パティストリーを作り、オリジナルのパンやスイーツをご提供できないか、ということです。プチホテル時代に使っていた厨房やダイニングがありますので……」
「お部屋に手作りのクッキーをご用意しているのですが、幸い好評で『買えませんか』とのお声もたくさん頂戴しています。そこで、最近少し多めに作ってお買い求めいただけるようにしました。パティストリーに向けての第一歩という感じでしょうか……」
「また、ランチや軽食をガーデンで召し上がっていただくようなスタイルも検討しています。いろいろな形で、私どもの魅力をぜひご実感いただければと思います」
夢はどんどん広がっていくようですね。
「はい。スタッフ一同気持ちを1つにして、『クラリスワールド』を一層拡充していきたいですね」
柔和な表情をされながら、最後の一言には力がこもっていたのが印象的だった。
伊豆高原の澄み切った風の中に咲き誇る「花の森 クラリス」。
そこは誰しもが自然に笑顔になれる優しい空間だ。
今後も訪れる者の心を和ませるオーベルジュとして、感動を与え続けてくれることだろう。
 

 

食の世界

食材に恵まれた当地ならではのフレンチを、オーソドックスなスタイルでお楽しみください

料理

ディナーは、花であふれるガーデンをイメージしたフレンチのコース。コンセプトは、「美味しくてかわいい、真面目な料理」。フレンチという非日常感の中にも、アットホームな温かみを表現したいという田中オーナーの思いから、珍しい食材や奇抜な演出に頼るのではなく、ソースを重視したオーソドックスな料理となっている。その優しい味わいは、様々な世代のお客様から広く支持されている。

 

食材

長年に渡る地元の業者との信頼関係にもとづいた、新鮮かつ安全な食材を使用している。土地を代表する伊豆牛やアワビ、フォワグラをはじめとするフランス産の高級食材、いずれも高品質な物を厳しい目で選んでいる。また、ガーデンで採れたセージやミント、ローズマリーなどのハーブ類、食花やレモンなども、シェフの鮮やかな技によりディナーを彩る役者として活躍している
 

お酒

ワインはボルドー、ブルゴーニュをはじめ、ロワール、シャンパーニュ、ローヌといったフランスの代表的産地の物が中心となっている。オーナー自らが試飲をして選び抜いたコレクションだが、普段あまりワインを飲まない方でも楽しめるよう、リーズナブルなのがうれしい。お料理に合わせた3種類のグラスワイン「バイ・ザ・グラス」は特に人気を博している。また、伊豆の地酒や地ビールといった土地の品もあるので、好みに合わせて選びたい。

食空間

木のソフトな温もり感にあふれたフレンチレストラン「ルシータ」はガラス張りとなっていて、四季折々のガーデンの風情を味わいながら、ゆっくりと食事を楽しむことができる。ウッドの重厚なチェアが得も言われぬ落ち着いた空気感を、随所に配されたお洒落な装飾や植物、可愛らしい小物類は、優しい雰囲気を醸し出している

スイーツ

オーソドックスなコースのしめくくりとして、デセールもシンプルなスタイルとなっている。その時々の素材により、いろいろな品が供されるが、中でも旬のフルーツを使ったデザートと、甘さ控えめの自家製プリンやコンポートの優しい味わいは好評を博している。また、ティータイムには、焼き立てのスコーンと紅茶の「クリームティーセット」が楽しめる。もちろん花に囲まれたガーデンでいただくこともできる。

メニュー

朝食〜PetitDejeuner
夕食〜Dinner
  • コールスローサラダ

  • オムレツ

  • ジャーマンポテト

  • サンドイッチ

  • ヨーグルト

  • ジュース

  • コーヒー・紅茶

(メニューは一例につき、変更する場合がございます)

  • ほうれん草とソーセージのキッシュ

  • 花の森「クラリス」

  • 鮑のポワレ ブールブランソース
    トマトのヌイユ添え

  • コンソメスープ「順才」

  • オマール海老と帆立のチーズ焼き プロヴァンス風

  • 薔薇のグラニテ

  • サラダ

  • 牛ヒレ肉のポワレ マデラソース

  • 本日のデザート

  • パン

  • コーヒー

(メニューは一例につき、変更する場合がございます)

 

アルバム

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