開業してから10周年。蓼科高原の洋食&フレンチの顔として知られる「オーベルジュ・ドゥ・シェマリー」は、記念すべき今年、1日4組のみのゲストを迎えるプライベート・オーベルジュとして生まれ変わった。 「素直に優しく、心地よく。リラックスできる空間と体が喜ぶフレンチを提供したい」というオーナシェフ石井氏の念願の客室リニューアル…。爽やかな高原の林の中に建つ、美食の隠れ家へ。

 

インタビュー

フレンチは通過点・・・次の時代のオーベルジュを目指す
オーナーシェフ

石井秀樹氏に聞く

オーナーシェフ 石井秀樹氏:

1964年12月生まれ。大手住宅メーカー勤務の後、料理の世界へ。三井ガーデンホテル長野から始まりユーハイム企業東京 の運営するリゾートホテル料理長を等を経て,現オーベルジュを1999年に開業。2007年、マクロビオティックの資格を得て、体にやさしいフレンチ創り を実践し、“蓼科ヌーベルマクロフレンチ”を提供する。現在、日本オーベルジュ協会の理事を務める。

情熱に導かれたオーベルジュ

 

 財界の別荘地として知られる蓼科高原で、ランチ時に美味しいオムレツライスが食べられる一軒家レストランとして一躍有 名になり、開業時からの常連ファンも持つ「オーベルジュ・ドゥ・シェマリー」。夜は本格フレンチが味わえるオーベルジュだが、今春、これまでにいちばん要 望が多かった客室のリニューアルを果たしたとの連絡があった。 「ぜひ泊まって食べに来てください…」。オーナーシェフからのお誘いに魅かれて、初夏のある日、蓼科高原へ向かった。緑の眩しい中の高原ドライブを楽しんだその先、そよ風に揺れる木立の中に「オーベルジュ・ドゥ・シェマリー」が待っていた。

フレンチを目指すきっかけは何だったんですか?

「実は29歳のときに料理の世界に飛びこんだんです…」と、石井オーナーシェフが切り出した。 20代前後で料理の道を目指す料理人が多い中、「オーベルジュ・ドゥ・シェマリー」の石井氏は、異色の存在と言えるかもしれない。 「20代の学生時代にはドラム一筋でミュージシャン、その後大手商社のサラリーマンを経験しています。その頃、スキーに行くと必ずペンションやホテルに宿 泊しますが、回数を重ねるうちに“スキーもできるし風景もいい。すばらしい環境なのにどうして食事はおいしくないんだろう?”という素朴な疑問が生まれた のがすべての始まりでした。」そうして、石井氏は「ペンションのオーナーになりたい!」と、夢を思い描くようになったのだという。

 

「思い立ったら行動は早いほうなので、間もなく退職届けを出して29歳で新しい道を踏み出しました。結婚直後でもあったんですが、長野に引っ越してきて料 理学校に通い、妻もサービスを学ぶためにホテル勤めをし、新婚なのに二人ともゼロからサービス業を学び始めたんです。それから当時の三井ガーデンホテル長 野にお世話になることとなったんですが、新人とはいえ年長者で社会経験もあるということで、周囲も困惑していました。」 「そんなある日、総料理長に、何故この年齢から料理をはじめようと思ったのかを聞かれて、いきさつを話したんです。そうしたらその後日、職場の先輩方に対 し、“石井というのは時間のない人なんだ”という事情を話していただき、感動した覚えがあります。この瞬間がなければ、今の私は料理人になっていなかっ た」と石井氏は語る。 スロースターターのリスクを覚悟してまでの気概。そして片手間ではない本物のフランス料理料理を提供したいという情熱が、フレンチシェフとしての石井秀樹 を誕生させたのだ。最初の夢こそ「ペンションオーナー」だったが、フランス料理を学ぶうちにその奥深さにはまり込み、フレンチへの道に進んで現在の「オー ベルジュ」に至っている。

 

料理の世界もずいぶんと変化していますが、

何か変わったということは?

 

「ジョエル・ロブションのフレンチが好きで見た目だけではわからないけれど「仕事の手」が加わっている料理が好きですね。私自身も地方で提供するフレンチ だからといって、手を抜かない姿勢を貫いています。「地産地消」にせよ、野菜中心のコースメニューにせよ、オーガニックにせよ、オーベルジュのシェフなら 当然のこととしてやっていることが今の時代になって注目されるようになっています。


オーベルジュなのでフレンチにこだわっていた時期もあったんですが、自分も料理も少しずつ変化しています。3年前に、体を壊したことをきっかけに、食生活を見直してみようと思い、体にやさしい料理というものを考えてみたんです。

マクロビオティックの資格を得たのはまさにその頃で、ヘルシー料理に注目が集まっていました。マクロビオティックを学んで料理に対する違ったアプローチが できるようになった。自分の料理そのものを見つめてなおす良い機会にもなった。フレンチでは動物性の食材や調味料を使う一方で、マクロビオティックでは一 切使用しない。その2タイプの手法をバランスよくコースの中でメリハリをつけて表現する。その成果が私の「蓼科ヌーベルマクロフレンチ」なんです。

10年目にして客室をリニューアルしたきっかけは何だったんですか?

「これまではフランスの田舎にある小さなオーベルジュがそうであるように、施設よりも料理、客室は二の次でいい。ずうっとそう思って、8室でやってきたん ですが、常連さんも自分も年齢を重ねるうちに、もっと寛げる客室も必要なんだな、そう思うようになったんです。正直、手狭でゆったりできるような造りでは なかった。 常連のお客様からも「料理は好きなんだけれど客室がもう少し広ければ…」という声もあって、10周年を機にリニューアルをしようと思った。もともと自分が 旅好きなので、どんなオーベルジュがいいのかも考えてきました。大きなホテルで施設も立派、プライベートは完全に確保されていても、サービススタッフや料 理人とはその場限りのおつきあいだったり、逆に、すごくアットホームで温かいかんじのプチホテルなんだけど、どうしてもプライベート感が足りなかった り…。 そんなアットホームとプライベート感を両立させたオーベルジュというものをこの10年間ずっと模索して来た。その結果たどり着いたのが、今回のリニューアルであり、夫婦でもてなす一日限定4組のプライベートオーベルジュでした。」

 

リニューアルをして変わったことはありますか?

 

「お客様が4組だけなので、お風呂ものんびりと入ってもらえるようになったし、落ち着いて料理を楽しんでもらえるような雰囲気に変わったと思います。ディ ナーまでの時間もお部屋で寛いで過ごしていただけるようになり、出来立ての料理をお客様の目の前で切り分けて提供するデクパージュも可能になりました。数 をこなさなくてもいいので、一品ずつに時間がかけられるようになったことも大きいですね。そういう変化にお客様はとても敏感で、食事を含めて滞在そのもの を満足していただけるようになりました。」

 

新しく生まれ変わったばかりの客室を説明してもらいながら、客室レイアウトや家具、調度や小物、寝具に至るまで、こだわりをもって丁寧に選んだことがわ かった。地元野菜をふんだんに使った料理は、前菜からディセールに至るまで素材の味がしっかりとしながらもどこか優しくてほっとする美味しさで、あっさり めを意識したメリハリのあるコース仕立て。長野産のチーズやワインも「生産者とは10年来の付き合いなんですが、本当に味が良くなった」とも話してくれ た。
当日は少し肌寒かったこともあり、冷菜オードブルをあつあつのキッシュに変更してくれるような気配りも見せてくれた石井氏。オーベルジュという業態でこれ からも挑戦していきたいという想いと、10年の積み重ねに裏打ちされた自信が、料理やサービスに対する安心感を生み出している。

取材の終盤、芝生が眩しいガーデンで石井夫妻の記念撮影を行った。お互いに照れながら並ぶ御両人を見ながら様々な話が重なった。風のそよぐガーデンで、再び新たに歩み始めた御二人を目の前に、言葉が浮かんだ。

 

「オーベルジュの夢よ、再び。」

 

2009年4月、オーベルジュ・ドゥ・シェマリーは“今行くべき1軒”に生まれ変わったのだ。

 

食の世界

蓼科発ナチュラル志向の最新フレンチ

料理

マクロビオティックの手法を使った、体にやさしいフレンチ。地元野菜をふんだんに使った料理は、前菜からディセールに至るまで素材の味がしっかりとしながらもどこか優しくてほっとする味わい。あっさりめを意識したメリハリのあるコース仕立てが特徴だ。

食材

地産地消にこだわった食材選びで、契約農家から朝採り野菜などを仕入れているほか、開業以来の付き合いのある業者から新鮮で品質の安定した食材を直送。ハーブ類は自家栽培のものを使用。アユなど意外と使われない川魚などもここでは食べられる。

お酒

マダムソムニエールが料理に合わせ提供。信州ワインはもちろん、フランスワインも用意している。ご当地の信州ワインは料理と合わせると見事に相乗効果を発揮し、料理もワインも素晴らしいものに変化するという。

食空間

メインダイニングは、シンボルの暖炉を取り囲むように円テーブルを配置。高天井で山小屋風の内装が、どこか懐かしい雰囲気をかもし出す。フロアには心地よ いコンテンポラリージャズが流れている。続きのサブダイニングルーム(写真)もある。また、ラグジュアリーメゾネットツインではプライベートダイニングも 可能。

スイーツ

シェマリーのディセールはレストランデザートを強く意識した内容。レストランデザートとは街のお菓子屋さんで見かけるケーキ等とは異なり、料理の延長としてとらえたものとなり、コースの内容や季節によってフルーツを選択しています。

メニュー

朝食〜PetitDejeuner
  • プレーンオムレツと信州産豚を使用したハーブソーセージ

  • タジンポットで蒸し焼きにした季節の野菜、
    または高原野菜サラダ

  • マダムお手製の無添加パン

  • ヨーグルト

  • 砂糖を使用せず三温糖を使ったジャム

  • コーヒーまたは紅茶

  • シリアル             《オーナーシェフのまかない朝食》健康を前提に考え抜かれたメニュー

  • 無農薬玄米

  • 味噌汁

  • 卵料理 スキレットで作る

  • 自家製ヨーグルトとマヌカ蜂蜜

  • 使用する油は圧搾法のなたね油

  • 本物のごま塩、鉄火みそ

(メニューは一例につき、変更する場合がございます)

夕食〜Dinner
  • オードブル
    ※写真例:地鶏の自家薫製とその卵のポーチドエッグ季節野菜と
    酸味をきかせた軽やかなジュレと共に

  • 季節のポタージュ

  • お魚料理(ポワソン)
    ※写真例:メバルの朝採りレタス包みSTAUB焼き
    (レタスのミルフィーユ)

  • お肉料理(ヴィアンド)

  • フロマージュ(チーズ&ドライフルーツ他の盛り合わせ)

  • ディセール

  • パン
    ※パン用にグレープシードオイル

(メニューは一例につき、変更する場合がございます)

 

アルバム

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