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彼方に三宅島、新島、伊豆大島、そして富士山を望む、日本の白砂青松百選の一つである平砂浦海岸まで歩いて5分という絶好のロケーションに建つオーパヴィラージュ。3000坪という広大な敷地には、南フランス風の鮮やかな建物を中心に、ハート型のプール、6つのプライベートバス、ハンモックや円形ゴロゴロイスなどでくつろげるガーデン、さらには書籍、漫画のライブラリーやアロマエステ、屋上プールと、各種設備も充実している。また、地元産の魚や肉、そして野菜を使った「南房総フレンチ」は、その時々の最高の素材がタイムリーに供される。館山駅前の直営店「かもめグリル」も好評を博している。

インタビュー

インタビュー

手つかずの大自然の中、地元の豊かな食材を存分に味わっていただきたい
オーナー

梅津隆英氏

 島田孝之氏に聞く

シェフ

オーナー 梅津隆英氏:
1951年、東京都新宿区出身。大学卒業後、百貨店に就職する。同企業で接客をはじめとする様々なビジネス関連の事柄を学び、30歳の時に館山に移住。オーパヴィラージュの開業支配人を経た後、オーナーとなる。趣味は釣り、ダンス、ボウリング。様々な人との交流や、オーパヴィラージュの植栽に手を入れることが大好きである。調理師、船舶免許も取得している。

シェフ 島田孝之氏:

1977年、新潟県出身。辻調理師専門学校で学んだ後、フランス・国内で修行を積む。
2009年、オーパヴィラージュ料理長に就任。直営レストラン「かもめグリル」の店主も兼任している。県内各地を訪れ、新しい食材を探すことに情熱を傾けている。

豊かな自然の中、年月を重ねた「味」を感じ取って頂きたい…

 

関東地方で最も早く春が訪れる館山。東京から100キロ圏内という立地にありながら、その温暖な気候ゆえ異国情緒にあふれた地に、南仏にいるような気分を満喫できるオーベルジュがある。「オーパヴィラージュ」だ。まずはこの魅力的な空間を作り上げた梅津隆英オーナーに、いろいろとお話をうかがった。

 

「この土地の魅力は、何といっても手つかずの自然が残っていることです。いい意味で放っておかれている趣がある。それが、湘南や箱根、伊豆とはまた違った、飾り気のない田舎らしさを感じさせてくれます。特に目の前の平砂浦海岸は、10キロほどの砂浜ですが、ほとんど手つかずです。これは関東では珍しい。その抜群の環境にプラスして四季を通じて豊かな食材が手に入るのですから、最高の土地ではないでしょうか」

オーパというのは聞き慣れない語ですね。

「これはポルトガル語で、『わっ』『おっ』と驚いた時に発する一言です。南房総の辺鄙な所に突然おしゃれな空間が出現して、皆様に『わっ』と感動を与えられればいいなと思います。実はこの名前、作家の開高健先生の作品から頂きました。開業当時、ちょうど開高先生の『オーパ!』という作品が出版され、語の意味が気に入って知人を介して使わせて頂いたのです。その後、開高先生も2度訪れて下さいました」

 

その名の通り、ここは驚きの連続である。プールに露天風呂、ハンモックに2000冊の漫画ライブラリー……何日でもいられる充実ぶりだ。しかも、それらがとても大切にされている感じが伝わってくる。

 

「他の施設と違って、ハード自体は大したことはありません。しかし、新しい物をどんどん取り入れるのではなく、古い物を修理しながら大事に使っていきたいと思っています。その積み重ねが『味』になっていくのではないでしょうか。
ですから、たとえば床を塗り直すにしても、ぴかぴかにするのではなく、味わいを残すようにお願いをしています。かえってお金はかかるんですけれど(笑)。
ずっと経営していると、飽きのようなものが生まれ、どうしても方針がぶれてしまいがちですが、私は自分が好きなようにやっているので、そういうことはありません。そして、スタッフ一同向いているベクトルが同じであれば、後は各人が個性を出していいと常々言っています」

 

オーナーの方針に盲従するのではなく、それぞれが個性を生かしていけるというのは、最高の職場環境である。そういった空気感が、施設に何とも言えない寛ぎと温もりを与えているのではないだろうか。


最後に一言

 

「50年後に私はもういませんが、施設と名前が残っていたらすてきだな、と思います」

 

50年、いや100年後にも、オーパヴィラージュは来る者に「わっ」と言わせる空間として燦然と輝き続けているであろう。

どなたにも感動を与えたい……その思いが「南房総フレンチ」を生んだ

引き続き島田孝之シェフにお話をうかがった。梅津オーナーが「若くて一生懸命ばりばりやっている」と評するシェフである。どのようなお話が出てくるのであろう。まず料理のコンセプトをうかがうと、即座に「南房総フレンチ」というお返事を頂いた。

 

「お客様は大半が東京からおみえになります。当然地の物を期待されているでしょう。一方で、もちろん地元の方もいらっしゃいます。普段食べている物を出されたのでは、せっかくフレンチを食べる高揚感が薄くなってしまう。その辺りのバランスをとるのが難しいですね」 「たとえば原木シイタケに代表される地元の茸はすごい香りです。それだけで十分堪能できるのですが、そこに少しトリュフを加えると、一段と味が増し、幸福感も高まります」

 

トリュフの話が出たので、フォワグラについてもうかがうと……
「フォワグラでしたら、たとえばポワレにはしません。あくまでも野菜に油脂分を足すように考えます


この日頂いたカブのポタージュ。「野菜をぎりぎりまで凝縮させる方法を常に考えています。そしてカブでしたら繊細さと無農薬ゆえのしゃきしゃき感を引き出し、そこにフォワグラを足すのです」スペシャリテをうかがうと間髪を入れずに「ポタージュです」とお答えになった島田シェフの真骨頂が、カブのポタージュにしっかりと表れていた。

伝統を生かしつつ、さらなる高みを目指す

島田シェフのお話の中に、何度も「高橋シェフ」という名前が登場した。我が国を代表する伝説のシェフ高橋金男氏は、オーパヴィラージュの初代シェフでもある。

 

「私は7代目なのですが、初代料理長高橋金男シェフのレシピは、歴代シェフに受け継がれています。たとえばスモークサーモンやシナモンパン、ドレッシングなどです。また、デセールの『タンブラン』というケーキも高橋シェフのレシピです」

 

そう、かの高橋シェフの味は、今なお健在なのだ。梅津オーナーがおっしゃっていた「時の重み」がここにも生きている。時の重みと言えば、シェフはこんなお話もしてくれた。


「私がここに来た7年前、ドラゴンフルーツを口にしたら、全然おいしくありませんでした。即座に『これは使えないな』と思いました。ですが、それから農家の方々といろいろお話をして、「どうすれば甘みが出るようになるだろう」と試行錯誤を重ねたのです。
追熟は無理だとか、取らないでそのまま置いておいたらどうだろうか、というように、いろいろなことを試してきました。そして、今では十分に甘みがのってくるようになったのです。
先輩のシェフに差し上げると、皆さん驚かれます。ドラゴンフルーツはおいしくないというイメージが強いですから……」
地域の農家と一緒になって取り組む姿勢には、一歩進化した地産地消のスタイルが感じられる。

 

「今度おもしろいことをやるんですよ」
ふとシェフが口にした。
「小学校で200人分の料理を作ることになったんです」

 

一体どういう経緯があったのだろう?

 

「私は館山駅前にある直営レストラン『かもめグリル』の料理長も兼ねているのですが、そこに小学校の先生がみえてお話をする中で、『今度料理を作って頂けませんか』というご提案を頂いたのです。子供に料理を作るのはいい勉強になるんですよ」

 

勉強?

 

「そう、新しい発想をもらえますし、何より子供というのは反応がストレートです。おいしい、まずいをはっきり口にします。大人とちがって、お世辞なんか言いませんから(笑)」

 

伝統あるオーパヴィラージュの料理長でありながら、子供たちから新しい発想をもらえるという柔軟な考えを持てる奥行きの深さ。島田シェフは、あらゆるものから学んで絶えず新しい世界を切り開いていくのだろう。

き子供といえば、シェフはポタージュの話をされた時に、「私の子供が、自分の作るポタージュが大好きなんです」と相好をくずした。凛とした料理人の顔が、一転優しい父親の表情になったのが印象に残る。島田シェフの料理の奥深さの源を垣間見た瞬間だった。

食の世界

食の世界

魚、肉、野菜……食材には日本一恵まれています

料理

島田シェフが目指すのは、南房総フレンチ。高級素材に頼り過ぎるのでもなく、地産地消に走り過ぎるのでもない独自のお皿を作り上げる。両者がバランスよく融合し、フレンチという「ハレ」の日の主役として、食べる者に大きな満足感を与えてくれる。たとえばビアンドの「牛ほほ肉の赤ワイン煮」にも、地元産のカリフラワー、えんどう、シイタケ、ロマネスコ、カボチャ、サツマイモと数種類の野菜が使われる。見た目にも鮮やかだが、ポテンシャルの高い野菜と肉を口にしていると、互いの味がぐんぐん高まっていく。それをリアルに舌で味わう一瞬一瞬には、スリリングさをも感じる。

食材

南房総といえば何といっても海の恵み。オーパヴィラージュでは、車で5分のところにある地元「布良(めら)漁港」から仕入れている。水揚げされた魚については逐一連絡が入るため、絶えず料理に合った新鮮な魚を入手できるのが大きな魅力。また、館山で養育された「まほろばポーク」は、黒豚を越える柔らかさと癖のない甘みで大人気だ。さらに、オーパヴィラージュのある「神戸(かんべ)地区」特産の「神戸レタス」は、築地市場や大田市場の品評会で毎年高い順位を獲得している逸品である。魚だけでなく、肉や野菜にも恵まれているぜいたくな土地の味を堪能したい。

お酒

フランス料理には欠かせないワインが、各種取りそろえられている。また、ボトルはちょっと……という方や、いろいろ試してみたいというニーズにこたえるため、手ごろな金額で楽しめるグラスワインも用意されている。白3種類、赤2種類なので、料理に合わせてチョイスできるのがうれしい。ビール党には、地ビールの「安房ビール」がおすすめである。ノンアルコール系の飲物も充実しているので、お酒が苦手な人でも周りと同じように食事を楽しめる。

食空間

通常ディナー時に使用されるのは、いずれも1階の落ち着きのある5つのスペース。2人客が数組入れる部屋や、3、4人で使えるところなど広さは様々あり、人数によって使い分けがされている。そのためプライベート感はありつつも、適度に周囲の空気が感じられるので、孤立感のないちょうどいい空間となっている。それぞれのスペースには、「オマール」「ソーモン」「ドラード」というように食材名がつけられている。また、2階には30人ほどが入れるバンケットルームがあり、会食や音楽会など、様々なシーンに合わせて使われている。

スイーツ

定番は歴代のシェフに脈々と受け継がれている「タンブラン」。特産の枇杷やイチゴを筆頭にレモン、キゥイフルーツ、温州みかん、梅、珍しいところではドラゴンフルーツなどを使用したスイーツと合わせ、小さめのポーションの3点盛りで出されるため、いろいろな味を楽しむことができる。また、「お料理で今はお腹が」という場合には、部屋に持ち帰ることも可能なのがうれしい。「温泉の後の夜食に」などという使い方もできて大好評だ。持ち帰りの場合、部屋に備え付けの冷蔵庫に入るサイズのお皿にのせてくれる細かな配慮も心憎い

メニュー

朝食〜PetitDejeuner

冷たい飲み物(果汁100%オレンジ・グレープフルーツ・三芳村の牛乳。いずれかをお選び下さい)
自家製パンとジャム(シナモンパン・バターブレッド・玄米パン・びわの実パン・ひじきパン。その時に焼きあがっている物をご用意します)

  • 香味野菜たっぷりのスープ

  • 館山の産みたて卵のふわトロ料理

  • 自家製ハム&オリジナルスモークチキン

  • フレッシュサラダ
    (自家製ドレッシング「レタスのドレス」をかけて)

  • フルーツヨーグルト

  • 紅茶またはコーヒー

(メニューは一例につき、変更する場合がございます)

夕食〜Dinner
  • サーモンと石鯛のタルタル

  • 季節の味覚! カブのポタージュ
    フォワグラ添え

  • 自家製パン各種

  • 地元産野菜と鮑のテリーヌ

  • メ鯛のヴァプール 五穀米のリゾット添え

  • 本日のお肉料理(いずれかをお選び下さい)
    ・厳選和牛のサーロインステーキ
    ・牛ほほ肉の赤ワイン煮込み
    ・鴨肉のロースト

  • オーパヴィラージュ伝統のスウィーツ
    タンブランの盛り合わせ

  • 氷温熟成コーヒーまたは紅茶

(メニューは一例につき、変更する場合がございます)

アルバム

アルバム

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