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1996年の初夏、爽やかな風が木立の中を遊ぶ軽井沢の地に、小ぢんまりとした一軒のフランス料 理店が誕生した。それから5年後の2000年には隣接の別荘を改装したMAISON(メゾン)、2002年にはHOTEL(宿泊施設)が開業し、現在にい たる「AUBERGE(オーベルジュ)」が完成されていった。小沼氏のフレンチを愛するゲストたちによってじっくりと育てられてきたこのオーベルジュは、 軽井沢の恵みを一皿一皿に凝縮して、至福の味わいを届けてくれる。

インタビュー

インタビュー

フレンチで表現される”四季の軽井沢”
オーナーシェフ

小沼康行氏に聞く

オーナーシェフ 小沼康行氏:
1962年生まれ。「代官山レンガ屋」や「銀座レカン」で修行した後、「Fitリゾート」料理長、「軽井沢900シティ倶楽部」料理長、「箱根オーベルジュオー・ミラドー」調理部長を経て1996年に「プリマヴェーラ」をオープン。以後、施設を徐々に増設して現在のオーベルジュとなる。現在は、グリル料理が楽しめる姉妹店の「ピレネー」も経営する。

一皿一皿が真剣勝負。都内の一流店や老舗オーベルジュでの経験を軽井沢フレンチに昇華させている。

「振り返ると本当に出会いに恵まれていますね」

と小沼氏がしみじみと言った。

 

フランス料理界の巨匠ポール・ボキューズとの提携で有名なかつての名店、代官山のレンガ屋での修行、日本のフレンチ普及に貢献してきた銀座レカンでの修 行、ソムリエ田崎真也氏との実験的な試み、国内オーベルジュ元祖のオー・ミラドーの勝又登氏から伝授されたオーベルジュの考え方など、自分自身の一つ一つ の軌跡を振り返り、今現在に至っていることを指しての発言である。

 

本場フランスで体験するオーベルジュのすばら しさを軽井沢でも…という想いで、10余年をかけて小沼オーナーシェフが完成させたオーベルジュ「プリマヴェーラ」。“軽井沢フレンチ”の魅力をオーベル ジュというスタイルで提供しているのも、こうした幸運な出会いの数々があったからだという。

そもそも軽井沢を選んだ理由は何だったんでしょうか?

「ここに最初に来たのが28歳の時でしたから、それから17年が経ちました。銀座のレストランを離れる時、幾つかの選択肢があったんですが、純粋にいいと ころだなという思いがあって軽井沢を選びました。ここで栽培されている野菜の美味しさに感動したことも大きいですね。料理にしたい素材がたくさんありまし た。」


最近の軽井沢にはどのような印象を持っていますか?

 

「軽井沢って観光という部分では弱いと思いますけれど、忙しい時期が終わって休養できる時間が生まれたときに、フッと“軽井沢ってなんていいんだろう”っ て思うことがあります。新緑がきれいだったり、紅葉がきれいだったり。たったそれだけでも十分に良さを感じることができます。やはり観光というよりも休養 するリゾートなんだと思いますね。」
 

軽井沢で味わうフランス料理の良さってなんでしょうか?

 

「軽井沢は四季がはっきりしているので、それが東京とは違って料理にも反映される。軽井沢の季節を肌で感じながら、料理を作ることはとても重要なことで す。ですから、季節ごとに2回メニューチェンジしていて、常連さんなどには季節に2度来店されることをおすすめしています。」


ヨーロッパ方面には毎年旅行していると聞きましたが、料理への影響はありますか?


「海外でも国内でも旅行から得るものは大きいですね。フランスで買い付ける目的もありますけれど、興味の向くままに行くことがほとんどですね。今年2月の 旅行では、オーベルジュ・ド・リルを訪問したり、コルマールからバーデンバーデンまで足を伸ばして、のんびりしてきました。今ちょっとドイツの影響を受け ているかもしれません。豚のナックル(間接)はビールにも合ってとても美味しいですよね。(笑)」

仔羊のキャベツ包み     

ピストゥーソース

マグロとフォアグラのカルパッチョ仕立て

実際オーベルジュにもかなり泊まっているんですか?

「毎年いろいろと行くので、パリ在住の料理研究家上野真梨子さんも、そういう目で私のことを捉えているようですね。現地のオーベルジュをいろいろと体験し てその度に思うことは、プリマヴェーラは高級店や三つ星を目指しているのではなく、一つ星、二つ星の中でのいいレストランにしたいと思っているというこ と。フランスで感じるオーベルジュのゆったりとした雰囲気を軽井沢でも感じていただきたいんです。」

 

ご自身のことをどんなタイプのシェフだと思いますか?


「自分では才能とか感性というよりも、とにかく頑固なんだと思いますね。いい物や美味しい物に触れるとそれを採りいれて自分のものにしたい。必要なことなら、旅行でもなんでもしてより良いものを求める。そういう頑固さ。それだけなんですよ。」
 

今後の予定はありますか?

 

「まだまだやりたいことがたくさんありますね。長野郷土の伝統食をフレンチに活かしたりとか、軽井沢で本格的なフレンチを初めて食べる方にも手が出しやす いようにするとか。また軽井沢はリゾート地なので、お風呂やスパも重要だと思ってはいるんです。ただ、これは慌てずに自分のペースでゆっくりとやりたい。 “星のや”さんが和風リゾートを造ってくれたので、洋風はプリマヴェーラが造るというのもいいかな?(笑)」

オーナーシェフ小沼さんとのインタビューは、お酒を飲みながらあちこちに話が飛んで深夜まで及んだ。朝到着したとき「こんな雨は久しぶり」と言われるほど の大雨だったが、インタビューを終える頃にはすっかりあがっていた。外に出て夜空を見上げると星が輝いていた。軽井沢の澄んだ空気がほろ酔いのほてった体 に染み渡った。

今では新幹線を使えば東京から約1時間30分と近くなった軽井沢。「季節を変えてもう一度訪ねてみたい」と思わせる、別荘感覚で利用できるオーベルジュである。

食の世界

食の世界

オーベルジュフレンチの本流

料理

小沼シェフの料理は、素材の味を確かな技術で最大限に引き出す“軽井沢フレンチ”。毎年、フランスの地方にあるオーベルジュを訪ねて歩いているだけあっ て、あくまでも軽井沢にこだわる。どの料理も素材重視の大胆さと正統派フレンチの繊細さが一皿に同居、エスプリの効いた料理が味わえる。東京フレンチの流 行に左右されないのも特徴だ。

食材

各種の料理に多用されるハーブや野菜は、これからのオンシーズン(夏期)には、浅間山麓の自家農園で無農薬有機栽培したものを使用。他に長野ハーブガーデ ンや千葉県大多喜町のサン農園などと契約。卵は浅間トリ牧場の放し飼い自然卵、魚介類は富山、佐渡稲鯨港、太平洋福田港より毎日直送、豚肉は長野県飯田市 千代の岡本養豚場の抗生剤無使用の希少豚、牛肉は和牛品質基準A4ランク使用。

ワインセラー

小沼氏が直接フランスで買い付けたものも多いという、選りすぐりばかりが集められたワインカーブ。貯蔵数は7000本と軽井沢でも最大規模を誇っている。 湿度、温度とも徹底管理されている上、モーツァルトの曲がBGMに流れる。ラウンジとして利用できるライブラリー風のスペースも用意されている。ゲスト は、ディナー前に好みのワインを直接選ぶこともできる。お気に入りの1本を見つけて。

ダイニング

ガリゾート軽井沢を意識して、エレガントさの中にもカジュアルな雰囲気で楽しめる空間。木造建築でコンパクトなテーブル配置なので、料理やワインを気兼ねなく味わいたい人におすすめ

メニュー

朝食〜PetitDejeuner
  • フレッシュジュース

  • コーヒーorカフェオレ

  • 朝採りフルーツトマトのサラダ

  • 焼きたてパン            〈クロワッサン、チョコ、レーズンパン、フランスパン〉

  • アスパラとポーチドエッグの野菜スープ トリュフ添え

  • ヨーグルト             〈トッピング:ハニー、イチゴジャム、ママレード〉              ※料金2500円(8:30~10:00、予約制)                (メニューは一例につき、変更する場合がございます)

夕食〜Dinner
  • アミューズ

  • 前菜 

〈高原野菜とオマール海老のテリーヌ〉

〈信州サーモンのマリネと春野菜のガルグイユ〉

〈高川上村鹿肉のカルパッチョ〉〈写真2段目左〉

マグロとフォアグラのカルパッチョ仕立て〉

  • 本日のポタージュ

〈富山産ホウボウのポワレ 春の貝類とそのジューで〉

〈ヒラメの香草風味 プリマヴェーラ風〉

  • 本日の魚料理  

〈稲取港より金目鯛のカフェ ド パリ風 ブールブランソース〉

  • お口直しのグラニテ

  • 肉料理

〈信州“千代幻豚”3種の部位の香り煮込み〉〈写真2段目右〉

〈仔羊のキャベツ包み ピストゥーソース〉

  • デセール

〈チョコレートのカネロニ仕立て〉〈写真1段目右〉

〈いちご・バジル・ヨーグルトのミルフィーユ仕立て〉

〈フォンダンショコラ 洋ナシのクーリー〉

  • プティフール

  • 自家製パン

  • 紅茶またはコーヒー   

※選択されるお料理によって追加料金がかかります。

(メニューは一例につき、変更する場合がございます)

アルバム

アルバム

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